「幸福の資本論」書評・レビュー

Yota's Library

「幸福の資本論」の書評・レビュー|事実・解釈・行動で見てみよう

2022年3月12日

※本ページはプロモーションを含んでおります。

どうも、Yotaです!

今回は、橘玲著「幸福の資本論」について書評・レビューしていきます!

「幸福の資本論」は、2017年に刊行された橘玲さんの著書です。

タイトルの通り、「幸福の定義」と「幸福になるための方法」について書かれた本です。

本書の概要や書評をお話していくので、ご存知の方もそうでない方もぜひご覧ください!

「幸福の資本論」はこんな方におすすめ

  • 今の日本で幸福になるための方法が知りたい
  • 日本の働き方の問題、仕事を通した自己実現について知りたい
  • 周囲の人との付き合い方、コミュニティの向き合い方について知りたい

「幸福の資本論」の3ポイント要約

  • 幸福の形は人それぞれだが、幸福になるための土台は必要。幸福の土台を設計することが、幸福になるための第一歩
  • 幸福の土台を作る要素は「金融資産(お金による自由)・人的資本(自己実現)・社会資本(共同体=絆)」の3つ。
  • 幸福になるための最適な設計は「金融資産を分散投資し、好きな仕事に集中し、人間関係を『深いつながり』と『弱いつながり』に分散する」こと。

「幸福の資本論」の掘り下げ概要

冒頭でも書きましたが、「幸福の資本論」は2017年に刊行された橘玲さんの著書で、幸福について書かれた本です。

幸福と言うと抽象的な話も多いですが、本書は極めて具体的な内容が書かれています。

本書を具体的かつ現実的な内容にしているのが、タイトルにもある「資本」です。

本書は資本の観点から、さまざまなデータや書籍に基づいて具体的かつ現実的に「幸福になる方法」を論じています。

幸福の形は違えど、幸福の土台は誰にとっても必要

本書では、幸福になるための条件として3つの要素を掲げています。

「金融資産・人的資本・社会資本」の3つの資産および資本です。

幸福の形は人によって異なります。

本書の言葉を引用するなら、『「住みたい家」を訊かれたとき、ひとはそれぞれ異なる建物をイメージする』と同義です。

マンションか戸建かでも変わりますし、最先端かつモダンな家が良い人もいれば、暖かみのある木造家屋を求める人もいます。

幸福も同じで、何が幸せかは人によって違うわけです。

ただし、1つ共通点があるとしたら、ベースとなる土台がしっかりしていることです。

家の例で言うならば、せっかく建てた家がすぐに倒壊してしまったり、施工不備があったりする家には誰も住みたくないもの。

つまり、住みたい家は人それぞれ違えど、土台がしっかりしていることは誰もが共通で持っている大前提と言えます。

土台さえしっかりしていれば、その上に「どのような家=幸福」を築こうが自由です。

本書では、幸福になるための土台を「幸福の条件」と定義しました。

「幸福の条件」とは何か、その条件を満たすためにはどうすれば良いかが本書で語られていきます。

「幸福の条件」に対応する「金融資産・人的資本・社会資本」の3つのインフラ

それでは、「幸福の条件」とは一体なんでしょうか。

「幸福の条件」は、次の3要素からなります。

  • 自由
  • 自己実現
  • 絆=共同体

「幸福の条件」として、「自由・自己実現・絆」の3つが挙げられています。

一般的なイメージから考えても、この3要素が幸福につながるのは何となく理解できます。

とはいえ、どのようにして「自由・自己実現・絆」を獲得すれば良いのでしょうか。

そこで登場するのが「金融資産・人的資本・社会資本」の3つのインフラです。

各インフラは、以下のように「幸福の条件」に対応しています。

  • 金融資産(お金)→自由
  • 人的資本(仕事)→自己実現
  • 社会資本(周囲の人との関係性)→絆=共同体

少し長くなりますが、重要な点ですのでそれぞれ解説していきます。

金融資産から獲得できる「自由」

金融資産は現金はもちろん、株式や不動産も含みます。

金融資産=お金は、自由を与えてくれます。

極端な話、お金が十分にあれば食べる物も住むところも、働くか働かないかさえも自由です。

僕の言葉で言い換えるならば、金融資産とは選択の自由を与えてくれるものでしょう。

人的資本から獲得できる「自己実現」

人的資本とは自分の労働力のことであり、より簡単に表現すれば「仕事」を指します。

「仕事なら、対価として収入を得ているのだから金融資産では?」と思われるかもしれません。

本書でも、金融資産は株や不動産に投資して富(お金)を獲得していますし、人的資本との類似性についても指摘しています。

しかし、金融資産と明確に異なるのは、人的資本には「自己実現」が関わってくることです。

例えば、「仕事に対してやりがいを求めるか」または「やりがいのある仕事をしたいか」と訊かれれば、多くの人はYESと答えるでしょう。

もちろん仕事に楽しさを求めていないと、割り切っている人もいるかもしれません。

ですが、楽しい仕事とつまらない仕事のどちらがやりたい方と問われれば、前者を選ぶ人がほとんだと思います。

つまり、「人的資本=仕事」には楽しさややりがい、好きなことなどお金に換算できない要素が関わってきます。

仕事を通して得られる幸福こそが、本書では「自己実現」と表現されているわけです。

社会資本から獲得できる「絆=共同体」

社会資本とは、端的に言えば「人間関係や人とのつながり」のことです。

もう少し具体的に表現するのであれば、コミュニティなどの共同体を言います。

家族や恋人、友達などの人間関係が社会資本に該当します。

人間関係から獲得できる「絆=共同体」とは、言い換えると「友情や愛情」です。

人間関係から得られる友情や愛情が、幸福の源泉となっていることは言わずもがなでしょう。

本書では、社会資本を非常に重要な役割として捉えています。

「幸福は社会資本からしか生まれない」ためです。

その理由を本書から引用すると、「巨万の富を手にしても、そのことを誰ひとり知らなければ、たんなる紙切れ」ですし、人的資本における自己実現も「会社内や社会での高い評価に依存」しているからです。

ですので、「幸福」になることを考える上で、「社会資本=人とのつながり」は切っても切り離せない関係と言えます。

幸福の土台設計は「金融資産・人的資本・社会資本」を最適化すること

さて、「幸福の条件」である3要素と3つのインフラはわかりました。

それでは、最終的に3つのインフラとどのように向き合えば良いのでしょうか。

一言でまとめるならば、3つのインフラを最適化することです。

本書いわく、「金融資産を分散投資し、人的資本を好きなことに集中投資し、社会資本を「深いつながり」と「弱いつながり」に分散投資する」ことが最適な「幸福の土台設計」と結論づけています。

そうは言っても、以下のような疑問が残るかもしれません。

  • 金融資産の分散投資って何に投資すればいいの?
  • 好きなことに集中投資ってどういうこと?
  • 社会資本の「深いつながり」と「弱いつながり」って一体なに?

このあたりの詳しい説明は、ぜひ本書を手に取って読んでみてください。

3つのインフラの中でも、人的資本と社会資本については多くのページを割いて解説されています。

自己実現や絆について現実的に語られているところが、非常に興味深いです。

「幸福の資本論」の書評|事実・解釈・行動で見た感想

僕の解釈を交えながら、「幸福の資本論」の概要をお話してきました。

ここではあらためて、事実・解釈・行動の3つに分けて僕の感想を書いていきます。

  • 【事実】本書に書かれている事実(文言)
  • 【解釈】事実から考えたYotaの解釈(感想)
  • 【行動】事実と行動から導く、今日からできる行動3つ

順を追って見ていきましょう。

【事実】本書に書かれている事実(文言)

本書に書かれている文言で、僕が印象的だった文章を3つ選出しました。

  • 「経済的独立」を実現すれば、金銭的な不安から解放され、自由な人生を手にする事ができる。
  • 社会資本は小さな愛情空間と大きな貨幣空間に分散する。
  • 幸福は主観的なものですが、だからこそ、「自分の幸福」については自分で考え、「設計」するしかないのです。

【解釈】事実から考えたYotaの解釈(感想)

印象的な言葉の中で、「経済的独立」と「自分の幸福」は通ずるところです。

2022年3月時点の僕が思っている幸福とは、選択が自由であること。

「選択の自由」とは、何かを始めたいと思ったとき、少しのためらいもなく始められる状態と僕は考えています。

そのためには、「経済的独立」が非常に重要な要素であることは言うまでもありません。

食べる物や住むところ、働くかどうかさえもお金によって左右されます。

逆に言えば、十分なお金があれば生活におけるほとんどのことが自由です。

僕が考える幸福とは「自由」であり、そのためには「経済的独立」が必要であると考えています。

一方で、「社会資本は小さな愛情空間と大きな貨幣空間に分散する」は、別の観点から幸福を考えさせられる言葉でした。

「小さな愛情空間」とは「狭く深い人間関係」のことで、「大きな貨幣空間」とは「広く浅い人間関係」を指しています。

僕の交友関係は年齢とともに、「広く浅く」→「狭く深く」へと移行していきました。

理由は、そこまで人間関係を広げる必要はないと思ったり、シンプルに人間関係に疲れたりといったところです。

しかし、「幸福の資本論」では、「狭く深い」人間関係だけに限定することのリスクを述べていました。

仮に「狭く深い」人間関係でトラブルがあった場合、どこにも居場所がなくなってしまうと。

「狭く深い」人間関係を持つことが悪いのではなく、持った上で「広く浅い人間関係」も築くべきと語られています。

本書を読むまで、僕は限られた数人とだけの交友関係があれば良いと思っていました。

そこから、人間関係におけるリスクを分散するためにも、「広く浅い」交友関係を広げようと思った次第です。

【行動】事実と解釈から導く、今日からできる行動3つ

  1. 自分にとっての「幸福」とは何かを洗い出す
  2. 自分が所属するコミュニティや人間関係を洗い出す
  3. 社会人サークルやオンラインサロンなど「広く浅い人間関係」作りに挑戦する

まとめ

ここまで、「幸福の資本論」を紹介してきました。

冒頭でも述べたように、本書は「幸福」について非常に現実的かつ具体的に語った本です。

この記事では紹介し切れませんでしたが、「人的資本」と「社会資本」は多くのページを割いて解説されています。

日本の働き方や人間関係などの問題を様々なデータに基づいて、著者の考察が書かれています。

「幸福」についての本を読んだことがない方はもちろん、すでに読んだことがある方にとっても新しい発見を得られるのではないでしょうか。

ご興味のある方は、ぜひ本書を手に取ってみてください。

それではここまでお付き合いいただき、ありがとうございました!

前回の書評はこちら!

  • この記事を書いた人

Yota-ヨータ-

本業は、IT企業で営業っぽいことをやっています。2020年1月より副業ライターを開始。2020年6月より当ブログを開設し、現在はブログ執筆を中心として活動しています。副業や投資など個人の経験談をメインに、気まぐれに書いていきます。

-Yota's Library