Yota's Library

情報を引き出すテクニック:『コールド・リーディング』を読んだ感想

2020年7月14日

【Yotaの図書館】1冊目:イアン・ローランド著『コールドリーディング』

こんにちは。Yotaです。
新たに始まりました読書感想コーナー。
題して『Yota's Library -Yotaの図書館-』です。

年間、100冊くらいを読んでいる僕が、読んだ本の概要や感想を書いていきます。
(100冊って、そんなに多くないよね?というツッコミはご容赦ください( ̄▽ ̄;)


読む本のジャンルに縛りはありません。
小説、ビジネス書、漫画、参考書まで何でもござれ。
SFやミステリー、日常系などオールジャンルを攻めていきます。

読んだ本の感想を片っ端から書いていくので、お楽しみください。


というわけで、記念すべき第1冊目の本は、イアン・ローランド著『コールド・リーディング』です。

本の概要

本書は、人を欺く心理テクニック『コールドリーディング』について書かれた本です。
現役マジシャンであり、セールスマネージャーの経験を持つ著者が、これまでの経験を通じて会得したテクニックを惜しげも無く公開しています。


このテクニックは、本書でいうところの“偽のサイキック(占い師、霊媒師、超能力者など)”が、古来より用いてきた手法。

本当は特殊能力など持ち合わせていないのに、まるで本当に能力があるかのように人を信じ込ませる心理テクニックが、『コールド・リーディング』です。


駆け引きや交渉において、誰もが悩む「いかに人の信頼を得られるか」「いかに人に情報を話させるか」という点の答えが載っています。

本書で書かれているテクニックを、自分なりに落とし込み活用できれば、様々な交渉の場で有利にことを運べるでしょう。


Yotaの感想

以下は、僕が読んでみて感じたことを思うままに書いていきます。
記述の内容は、以下の3点です。

  1. コールド・リーディングの根っこを学べる
  2. 占いに行く気が失せました
  3. 本書で書かれているテクニックを一部紹介



コールド・リーディングの根っこを学べる

本書は、『コールド・リーディング』を根本から体系的に学ぶことができます。
『コールド・リーディング』とはそもそも何か、様々なテクニックの意味や利用の仕方、テクニックが上手く行かなかった時の対処方法など。


『コールド・リーディング』の根っこ、基礎から学べるのが本書です。
逆にいえば枝葉の内容、『コールド・リーディング』の応用方法については薄いといわざるをえません。

応用方法の具体例とは、ビジネスや恋愛など、各人のシーンにおける実践例ですね。本書は、基本的に占い師などのサイキックが、相談者に占いを行うシーンを想定して描かれています。

そのため、占い師目線でどのように『コールド・リーディング』が使用されているかは分かっても、ビジネスシーンでの応用方法は詳細に述べられていません。


すぐにビジネスや恋愛での活用方法を知りたい人は、P383『第6章-販売、恋愛と人間関係、尋問への応用-』から読まれることをオススメします。
しかし、前段の各テクニックの理解を前提に話が進むため、結局は最初から読むことになるかもしれませんが……。

結論、ビジネスや恋愛にそのまま活かせる実践例が書かれていると思っている人にとっては、期待外れと感じるでしょう。
本書で書かれているのは、『コールド・リーディング』の体系です。


自分の環境や状況に活用したいのであれば、『コールド・リーディング』を基礎から理解し、自分なりに落とし込む必要があります。


占いに行く気が失せました

本書を読むと、占いに行こうと全く思わなくなります。
正直、これが僕の一番の感想です。


著者はショーの一環で、『占い師や超能力のフリをして相談者の過去や現在の状況を当てる』ということをやっていたそうです。
もちろんそれは、『コールド・リーディング』を用いて情報を引き出しただけですが。


結果として、相談者は自分のプロフィールを当てられて、著者の特殊能力をすっかり信じます。その後に、実は超能力者でも何でもないと、ネタバラシをするというショーだそうです。


本書はこうした著者の経験をもとに、『コールド・リーディング』の活用方法が書かれています。
そこで分かるのは、サイキックは“何も当てていないし、何も語っていない”ということです。


質問を質問と気づかれないように行い、相談者自身に情報を話させる。サイキックはその情報を、あたかも最初から知っていたかのように提供する。

サイキックは何も当てていないけれど、相談者の信頼を得られます。本当に特殊能力を持っているのだと。
こうした内容を読んだ結果、僕は占いを受けようとは思わなくなりました。


ただ、1点だけ細くすると、本書は“特殊能力者が本当にいるかどうか”については言及していません。
あくまでも、偽のサイキックが用いる手法の1つ『コールド・リーディング』のついて語られているだけです。

むしろ、“本当の特殊能力者からすれば、この本の内容は嬉しいだろう”とも書かれています。
なぜなら、これによって偽物の特殊能力者が淘汰されるからです。


本書で書かれているテクニックを一部紹介

ここからは、本書で書かれているテクニックを一部紹介していきます。
聞いたことのあるテクニックも、あるかもしれません。

人の性格の傾向とその対極の性格傾向について、言及する手法。
内向的と外交的、無欲と利己的、物静かと活発など。

多くの人に当てはまることでありながら、深い洞察があるように感じさせることができる。

例「たいていは物静かで控えめにふるまっていますが、状況がととのっている場合、気分しだいでは場を大いに盛り上げる役にまわることもできる方ですね」
引用:『コールド・リーディング』65項



相手をそれとなく褒めることで、こちらに調子を合わせてもらうことが目的。
「普通の人」や「周囲の人」を引き合いに出して、あなたの方がいいと伝える手法。

一言で済むのに言葉を尽くして述べることで、相手に洞察力を感じさせ、深い理解を示す。
下記はサイコメトリーの例だが、内容をまとめると「あなたは誠実な人です」としか言っていない。

例「この品物の所有者は大体において信頼できる人だと感じられます。たぶんこの人は、多くの人よりいくらか誠実で、良心的でしょう。
聖人でもないし、完璧でもありませんが、本当に大事な場面では信頼されることがいかに重要かを確かに理解しています。
価値あることを守って生きたいと誰もが願っても、いつもうまくいくとは限りませんが、この人はそんな価値を手にしている、そも思わせるエネルギーを感じます」
引用:『コールド・リーディング』69項



以上、2つのテクニックを紹介しました。
正直、このテクニックだけを見たら、大したことがないように感じるかもしれません。

本書でも述べられていますが、本書は単一のテクニックを紹介する本ではないんです。
事前の準備や複数のテクニック、危機の脱し方など。
そうしたいくつものテクニックを組み合わせることで、相手の信頼を得られ、情報を引き出せるようになります。

まとめ

以上、イアン・ローランド著『コールド・リーディング』の感想を書きました。

正直、ここに書いてあるテクニックを、すぐに活用するのは難しいと思いました。
まず各手法の理解をもっと深めなければなりませんし、それを実践するには練習も必要だなと。

とはいえ、知っているだけでも、役に立つ場面は多いなとも感じました。
誰かが『コールド・リーディング』を用いて情報を引き出そうとすることに気づけますし、占いに時間とお金を消費することもありません。

※念のための補足ですが、占いを否定する気は全くありません。
あくまでも、本を読んで感じた僕の価値観です。

本書に書かれたテクニックを活用できれば、ビジネスや日常など活きる場面は多いと思います。
定期的に読み返したい本ですね。

以上、ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

  • この記事を書いた人

Yota-ヨータ-

本業は、IT企業で営業っぽいことをやっています。2020年1月より副業ライターを開始。2020年6月より当ブログを開設し、現在はブログ執筆を中心として活動しています。副業や投資など個人の経験談をメインに、気まぐれに書いていきます。

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